中3 18 校長室

中学3年
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それから私たちは今後どうするかについて話しあった。桜井先生がまとめ役で、松本さんが具体的な提案をし、私が家庭の状況を考えてできそうなことを答えるような感じだった。他の先生方はあまり話をしなかった。まとまったのは下記の内容だった。

1.学校内で休み時間に次の授業の担当の先生が咲のいる教室にできるだけいて見守る。

2.家では一人の時間をなるべく減らす

(咲が学校を休んだ日は私も会社を休む、むずかしい場合はできる限りスクールカウンセラーや保健の先生に自宅に行って様子を見てもらう。数時間でも。)

私もいつも休めるわけではなく、夫は全くあてにならなかったのでスクールカウンセラーの方や学校の先生方に大変面倒をかけたと思う。おばあちゃんは一人いたが頼めなかった。(理由は後述)

3.自殺の衝動が起こるのを防ぐためにタオルや紐は隠す

(松本さんに言われた。「そういうものを見ると死にたい気持ちが大きくなるかもしれないので見えないところに隠してください。ドアノブは外してもらったのは良かったです。」

タオルや紐がなくても布類ならなんでも使えるのではないだろうか。しかし自分が自殺しようとしたときに使おうとしたもの以外の布類は大丈夫なのかもしれないと思いなおした。

4.私は様子をよく見ておき、変わった様子があったら先生に連絡して情報共有をする

学校の先生方もこんな遅い時間まで対応してくれてありがたかった。一方で咲がこうなったのは部活が原因で、その後3年生になってからのクラスのもめごとがとどめになってしまったのだから、学校の責任は大きいという気持ちもあった。でも学校と対立したくなかった。そんな気力も体力もなかった。私が今持っているエネルギーはすべて咲を死なせないようにすることに使いたかった。学校の責任を追及して敵対するより先生方に咲の味方でいて咲を少しでも助けてほしかった。また、それに「話が通じない親」や「モンスターペアレント」だと思われたくなった、そう思われると私の話の信憑性が低くなってしまう。私の言うことが事実として受け取ってもらわなくては咲を守るのに支障がある。だからなるべく感情的にならず、ビジネスライクで行こうと思ってこの場に出てきた。(でも大泣きしてしまって台無しだった)