中3 51 入院しないの?

中学3年
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治療の説明のところは全く覚えていないが医師はその後薬の効き目はどうかと聞いてきたと思う。(この辺も記憶が曖昧です、順番はこの通りではなかったかもしれないです)

前の病院で処方されていたのはサインバルタ(抗うつ薬)ロラゼパム(抗不安薬)という2種類だった。前の病院の初診で薬を処方されてから2週間と少し経っていた。まだサイバンルタの効き目はなく落ち込みが激しいまま変わっていなかった。

しかしサインバルタを飲み始めてから、咲はがたがたと貧乏ゆすりをするようになっていた。椅子に腰かけていてるときも足踏みをダンダンしていて止まらない時もあった。自分でも止められないのだそうだ。ベッドで寝ていても体をずっとゆすっていて眠っていない時もあった。時々なのだけれど目立つ副作用だった。抗不安薬の方は一度も飲んでいなかった。

「それはアカシジアですね。他の薬を試してみましょう」と医師はそう言った。私は割り込んだ。

「アカシジアって何ですか?それから前の病院の大野せんせいに『死にたくなるようなへんな気持ちになるかもしれない』って言われていたんですけどサインバルタは危険だったのでしょうか?今度の薬はそういうことはないでしょうか」

黙って流すのではなく、わからないことや不安に思ったことは聞こうと思った。前の病院での失敗を繰り返したくなかった。

二宮医師は「過去の事例で一時期そういう説はあったけれど、今は関連性はないと言われている」という内容を丁寧に説明してくれた。

アカシジアの説明も丁寧だった。そして今度はレクサプロという抗うつ薬を処方されることになった。一日1回寝る前に服用だった。

レクサプロの効果が出てくるまで最短でもまた2週間かかる。それでも薬を変えるということだ。アカシジアというものはそういうリスクを取るほどに起こると良くないものなのだろうか。それとも患者の負担が大きいのだろうか。私もそれ以上は聞けなかった。(でも私にしては頑張りました)

「この後MRIを取ります。待合室に戻っていて下さい。」私はまた割り込んだ。「前の病院で取ったMRIのデータを紙でもらってます。今日持ってきています、これを使えないでしょうか?」

少しでも時間の短縮をして子供の体の負担を減らしたかった。しかし医師は「念のためもう一度取りましょう」と言って取り合わなかった。データは少しでも新しい方がいいのだろうか。

 

 

診察は終わりだった。死にたい患者でも「死にません」と約束ができたらそれで本当にOKらしい。次の予約は2週間後だった。それにも驚いた。2週間また抗うつ薬の力無しで乗り切れということだった。(新しく処方された抗うつ薬のレクサプロの効き目が出るまで最低でもそのくらいかかるため)

抗不安薬で何とかなるものなんだろうか。もしかして大野医師が大げさだったのか?この温度差は何なのか私には判断がつかなかった。

 

ありがとうございましたと私たちは言って診察室を出た。

すぐ看護師に声をかけられてMRIのために咲だけ検査に行った。ロビーで待っていてほしいと言われたので私も思春期外来を出ようとした。そこで別の看護師に声をかけられ、

「こういう制度がありますので目を通しておいてくださいね。」的なことを言われ、A4のチラシを渡された。

 

題名がないそのチラシは「精神疾患のある方については以下のようないろいろな制度や福祉サービスがあります。詳しいことは医療ソーシャルワーカーにお尋ねください。」という文で始まっていた。内容は

医療費について

自立支援医療費

精神科の外来通院にかかる医療費を補助する制度。保険の種類に関係なく外来医療費の自己負担が10パーセントになります。

市町村の精神障害者医療費助成

精神疾患の治療にかかる医療費(入院・外来・調剤など)の自己負担を助成する制度です

生活を支える制度

障害年金

障害の状態が継続し、生活に支障をきたす場合、申請し審査により受給可能です

特別児童扶養手当

20歳未満の障害児の保護者に支給されます。(所得制限があります)

生活保護

生活に困窮する世帯について国が最低限度の生活を保障するとともに自力で生活できるように支援する制度です

精神障害者保健福祉手帳

精神疾患のため日常生活や社会生活を送る上でハンディキャップがあり初診から6カ月以上経過している方が申請可能です。一定の障害状態であることを証明するもので手帳を取得していることで利用できるサービスや助成などがあります。

と書いてあった。それぞれの見出しに簡単な説明が書いてあるだけだったので支援のための各種の制度があるということを周知させるのが目的のチラシなのだろう。詳しい内容は市町村の担当課に問い合わせるよう促している。

年金の場合だけ問い合わせ先が市町村でないところがあった。障害基礎年金は市町村の国民年金課だったが障害厚生年金は年金事務所、障害共済年金は共済窓口となっていた。

受診した当時のものなので現在では変わっているところもあるかもしれません。

咲の場合は自立支援医療の制度を利用して一回の通院でかかる費用は診察費、心理療法費、薬代をあわせて自己負担額は1000円程度でした。