記録

中学3年

中3 40 転院が決まる

月曜の夜の校長室での情報共有は特に問題なく終わった。 数日後に転院先が決まったと連絡があった。返事が保留だった病院が受け入れてくれるそうだ。紹介状をまず大野医師の病院に取りに言ったうえで、それを持って直接転院先の窓口に行っ...
中学3年

中3 39 入院の話を伝える

翌日の土曜日には実樹は部活に一日行っていた。入院の話をするのにはちょうど良かった。私たち両親と咲だけの方が話やすい。私と夫は昼ごはんのあとで部屋に戻ろうとする咲に話がある、と声をかけた。 実は前の診察で「病気は深刻だから入院し...
中学3年

中3 38 診察後の帰り道

帰り道に咲は私が医師とどんな話をしたかを聞いてきた。自分のいないところで話をされるのをやはり嫌がる。入院の話はまだ本人に言っていなかったので病気の回復の見込みを聞いて「なんとも言えない」という返事だったということにした。 「咲...
中学3年

中3 37 医師と話す 続き

「私は通常初診では薬は出しません。患者さんとの信頼関係を大切にしています。患者さんがいろいろなことを話してくれるようになって、環境や性格をわかってきてから薬を出しています。咲さんは症状が重かったので特別な例外としてすぐに薬を出しまし...
中学3年

中3 36 医師と話す

患者が最初からすべての情報をを説明しようとすると恐ろしく時間がかかってしまう。だから患者が症状を説明したあとは、追加で必要な情報を医師が聞いてくるものかと思っていた。聞かれないことは必要な情報ではないのかと思っていた。でもここでは身...
中学3年

中3 35 再診の日

再診の日が来た。私にとっては3度目の診察室だった。咲はそのことを知らないので「2度目だね、今度は途中で追い出されないといいね」とブツブツ言っていた。でも病院には嫌がらずに素直についてきた。死にたい気持ちが強い中にも治したい気持ちもあ...
中学3年

中3 34 入院に同意する

その日の夜大野医師に言われたことを夫に伝えてまた話し合い「受験ができるのなら……」と渋々入院に同意することにした。でも咲が知らないまま入院の話を進めることはどうしてもできなかった。その面も私も夫も同意見だった。自分が逆の立場だったら...
中学3年

中3 33 代わってやりたい

この「自分が代わりたい」的考えは私の妹が自殺した当時も常に頭の中にあった。 妹は性格もよく頭もよく私よりずっと優秀な子供だった。妹の方がみんなに好かれていた。両親にもかわいがられていた。だから私が妹の代わりに死ねばよかったとずっと思っ...
中学3年

中3 32 医師からの電話

翌日の午前中に大野医師が私に電話をかけてきた。 「転院(ほぼ入院しなければならない前提)の話を進めたいのですが」 大野医師は私の返答を待つために一度言葉を区切った。 「昨日夫と話しあったのですが、入院はさせないでいこうと思...
中学3年

中3 31 自傷

この頃に自傷がはじまった。体を傷つけるのではなく、拳で自分のお腹や胸を強く叩いたり自分の両手で喉を絞めつけたりする自傷だった。 拳で自分の体を叩くときには私もその場に遭遇したこともある。強い力でドスっと体にめり込むような音を立...