中学3年

中3 27 私の胸中

その日の午後に保健師の松本さんから電話がかかってきた。大野医師と連絡を取って咲の事情を話したところ、医師から学校の先生と私と市側の保健師とで集まって相談したいと言われたのだそうだ。日程は明後日の朝9時と指定された。場所は前回行った診...
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中3 26 校長室に行った次の日

学校側はこのあともうつ病になってしまった原因について追及することをずっと避けていた。話そうとすると今回みたいに話題を変えるか無反応になるかだった。  当時は自分の娘のことで精いっぱいだったからそのままになってしまったけれど、鴻...
中学3年

中3 26 校長室

松本さんは無理しないで下さいねとかなんとか労わりの言葉をかけてくれた後「私から大野医師(先生)に連絡をとってもいいでしょうか?」と聞いてきた。私は「わかりました」と答えた。医療関係者同士何か対策できるならしてほしかった。私が何をでき...
中学3年

中3 26 また校長室

その日の夜に桜井先生から電話がかかってきた。思春期外来を受診することを連絡してあったので様子を聞く電話だった。その電話で先生にうつ病と診断されたことを伝えた。先生は驚いた様子だったが話を詳しく聞きたいので明日学校に来てほしいと言われ...
中学3年

中3 25 診察後

その病院は夜中に患者を診る体制はなかった。調べておけばよかった。 副作用や常習性を考えると薬を飲ませることには抵抗があった。しかも精神病の薬を自分の子供が服用するなんていやだった。でも自分の気持ちは無視した。感情は無視して理屈...
中学3年

中3 24 診察

ここが咲が死にたいだけではなく実際に自殺未遂をしたことを言える最後のチャンスだった。咲もわたしも問診の時にはそのことを言えずにいた。医師の印象が悪かったことや、初対面の人に自殺未遂の話をすることへの抵抗感があったし、メインで話してい...
中学3年

中3 23 今度こそ診察

今度こそ診察がはじまった。 大野医師は午前のことを詫びてきたあと 「お昼は何を食べたの?」と咲に笑顔で話しかけた。 「ミニ天丼です」咲は答えた。「え?ミリ?」「ミリ何?」 なぜ人が昼ごはんに何を食べたのかを聞...
中学3年

中3 22 診察のはずが

大野医師は40歳後半ぐらいの女性だった。艶のない髪とそっけないメタルフレームのメガネが優しくなさそうな印象を作っていた。「日渡咲さんですね」大野医師はモニタから目を離さないままで言った。そのままカチカチとマウスとキーボードを操作して...
中学3年

中3 21 診察

12月のはじめ、ようやく思春期外来の受診の日が来た。朝の予約だったので会社は午前休みにしてもらって午後から出社することにしていた。咲も診察が終わり次第学校に行けるように制服姿だった。おとなしく一緒に来たけれど受診することに抵抗も期待...
中学3年

中3 20

そんな様子を見たときは私は咲のことが大切だ、かわいい、価値がある、すごい子だと繰り返し伝えてきた。夫もそうだったと思う。でもあの子の心には届いていないようだった。 中学生にとっては家族のことはそんなに重要ではないのかもしれない...