中3 11

中学3年
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(後から振り返って)

この時の私の予約のとりかかたがまずかったために受診した際に医師から叱られた。私は予約を取るときに電話に出た人に「どうしました?」と聞かれて「子供が死にたいと……」としか言えなかったのだった。苦しい感情がどっと押し寄せてきてしまってそれ以上声を出せなかった。会社から電話しているのに号泣するわけにもいかなかった。それに電話に出たのは私にとっては赤の他人様で、大切な自分の子供が自殺未遂をした、とは病院の人相手に話しているのだとわかっていても言えなかった。言うべきだったのだがどうしても言えなかった。

 受付の人は「子供が死にたいと…」しか聞いていないので「死にたいと言っている」のが子供の症状だと思ったので予約を受けた。

もし私が「子供が自殺未遂した」と予約の電話の際に言っていたら最初から受診を断られたはずだった。その病院では自殺未遂をするような重い症状の子供を受け入れる体制は整っていなかったため、咲の自殺未遂の事実が分かったあとすぐに他の病院に行ってほしいと言われた。

もし受診を考えているのなら症状をありのままに伝える方がいい。受け入れてくれるところが症状に合った病院なのだと思う。予約するのが辛い、言葉にして言うのが苦しいという場合は、まず紙にセリフを書いて、電話を掛けた際にその紙に書いてあることを台本のように読むといいと思う。私が電話で聞かれたのは普通の病院を受診するときと同じことだった。名前、年齢、性別、職業、症状、受診希望日などだ。受診した際にはもっと細かい書式に記入することになるけれど。

また自殺未遂や自殺企図があった場合は一刻でも早く受診したほうがいい。もし直接電話して予約を断られるのであれば保健所、市役所の福祉課や学校の保健の先生など思いつく公共機関に相談するといいと思う。

自分の子供が精神科の受診をすることや抗うつ薬を飲むことに抵抗はあると思う。私も大きな抵抗があった。それでも子供の命を守るための最良の選択は治療を受けることだと思う。民間療法やサプリメントは症状が重い場合は効かない。(私は医療従事者ではないため個人的な意見です)