2021-09

中学3年

中3 73 部活のグチのつづきと週末の面会

そんな特異な環境にいるだけで保護者の私もメンバーの咲も大きなストレスを感じていた。 練習試合になるとレギュラーの子たちの保護者はビデオカメラと三脚を持ってきて試合をすべて録画する。その録画は家で繰り返し見て批評したり研究したりする。(...
中学3年

中3 72 部活のグチ

我が子が精神病院に入院してしまっても時間は関係なく流れていった。入院してから数日で予定通り思春期病棟のベッドに空きが出た。思春期病棟の咲の担当になった相葉さんという看護師さんから電話があって、病棟を移ったことを知った。そこでも個室だ...
中学3年

中3 71 しおれた花

本当はいつ入院してもおかしくなかったんだ。大野医師はそう言っていた。 入院前提で転院したけれど、転院先の二宮医師はなぜか今までは入院させないで通院で様子を見ようと判断していた。ちょうどボーダーライン上の状態だったのだろうか。入...
中学3年

中3 70 担任からの電話

先生は「自分も確認してみます」と返事してきた。先生の口ぶりから学校側も私を介さないで病院と連絡を取っているようだった。 「今どう思っていますか?」先生は次にそう聞いてきた。まるで私の気持ちを聞いてきているような言い方だった...
中学3年

中3 69 子供を病院に残して帰る

看護師さんに「週末に面会に来ます」と言って閉鎖病棟から出ようとすると「すぐに思春期病棟の方に移れると思います、週末までこの病棟にいるかどうかわからないのですが、移ったら連絡がありますから。」という内容を言われた。 たぶんあの子...
中学3年

中3 68 週末までの別れ

入院となったらもちろん学校には行けない。学校を休むのにこれ以上ない正当な理由だと本人は考えているだろう。前回の診察の後にもそんなことを言っていた。 ともかくこれで「どうしても学校にいかなきゃ」という焦りはなくなるだろう。内申書...
中学3年

中3 67 個室の様子

昔の映画みたいにコンクリートの壁で鉄格子がはまった窓と茶色くなって擦り切れたぺったんこに凹んだ畳の、牢獄のような部屋を想像してしまっていたが、全くそんなことはなかった。(記憶が映画で見た留置所とごっちゃになってるかもしれないです) ...
中学3年

中3 66 閉鎖病棟の内側

担当の看護師さんに入院期間二カ月について本当なのかを聞いてみても「主治医の判断です」としか言われなかった。 思春期病棟のベッドが空いてそこに移って落ち着いたら二宮医師に話を聞けるかもしれない。そう思って私はそれ以上は聞かないこ...
中学3年

中3 65 荷物を持って再び病棟へ

頭が働きだしてから私はだんだんと辛くなってきていた。主のいない部屋で入院に必要なものを準備していると、その状況から辛い気持ちがますます膨らんできていた。 「最後のとどめ」みたいに登場した、咲の隠していた紐を見つめていたら涙で視...