中3 91 卒業式の前の日

中学3年
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先生の希望は卒業式に出席してほしいということだった、私も出席の方がいいと思っていた。

でもそのまま「欠席させます」と押し切った。あの子は今まで周りに気を使ってばかりで自分の気持ちを大切にしてこなかったのだと思う。だから本人の気持ちを何よりも大切にしなくてはいけない。そうでなくてはきっと病気の治りが遅くなってしまう。

先生も欠席することについてそれ以上は何も言わなかった。この人も自分の言いたいことをいろいろ抑えているのかもしれない。

「卒業証書はどうするか後で連絡します」先生はそう言った。卒業式の日に取りにきてもらうか、自宅まで届けに来るか。そのどちらかだと言っていた。

卒業証書を家に届けてもらう人ってどのくらいいるんだろうか。稀なんだろうな。「お任せします」と私は答えた。どうでもよかった。私は卒業式に娘が出席しないという状況がただ悲しかった。

後日電話があって、「『卒業式第二部』で卒業証書を学校で渡すので来てください。」と先生が言った。時間は卒業式当日の午後だった。卒業式が終わっていて、生徒も卒業生も保護者も確実に学校からいなくなっている時間だった。卒業証書を受け取るだけなのに大げさな言い方だなとその時は思った……。

卒業式の前日に久しぶりに咲の部活の保護者のLINEグループに投稿があってその後メンバー同士のやりとりが少しあった。当日寒いし天気が良くないという他愛のない投稿で、やり取りもすぐに終わった。

このグループのLINEは部活が終わってから今までの間ほとんど動かなかった。ということは、仲の良い人たちだけが入っている他のグループLINEがあってそちらの投稿がメインなのかもしれない。私はそのグループに招待されていない。

しかし私が外されていたのだとしても、本当に心からどうでもいいことだった。子供の病気に比べればほとんどのことがどうでもいいことだった。

同じ前日に部活の保護者会の会長が個別LINEで咲の状況を聞いてきた。その時に「(咲の入院に関して)何もしてなくてごめんね」と謝ってきた。

ザ「口で言ってるだけ」の中身のない社交辞令だった。何かをする気なんて最初からない。(と思う。)ごめんねと言っておけば相手の了承を得た気になっている。保護者会長という役割上一応連絡してきただけだ。(と思う。)

万が一「見舞いに行く」などと言われたとしても迷惑だった。咲も会いたくないだろう。部活のメンバーたちだって咲に会いたいとは思っていないだろう。

「あまり良くない、卒業式にはいかない。でもそっとしておいてほしい。」そういう内容を少しだけ柔らかくして私はLINEを返した。

学校では咲は体調不良で入院していることになっている。入院先の病院も話してない。そうしているはずだった。

卒業式は豪雨になればいいのに。

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子供がうつになりました。