中3 79 洗剤とマンガの話

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「洗剤も無香料のものがいいんですか?」聞いてみると「なるべくなら……」という返事だった。無香料でないと持ち込めないとは言わなかった。無香料のボトル入りの洗剤を買おう、探しても見つからないときには香料入りのを買おう。今までは洗剤の香料のことは気にしないで、汚れ落ちだけを重視して選んでいたので無香料の洗剤があるかどうかちょっとわからなかった。

ちなみに「ファブリーズ」は無香料でも持ち込み許可は出ませんでした。

 

「それから、咲さんは漫画好きなんですね。がんばり表の点数がたまったら今度は漫画を持ってきてもらおうかなって言ってました。それを楽しみにしているんですよ」

やっぱり担当の看護師さんと話せてよかった。咲の話がいろいろ聞けて嬉しかった。

たしかに部屋に漫画はたくさんあった。次の電話でどんな漫画が読みたいのか聞いてみようと私は思った。

私が選んでいいのなら頭を使わない漫画にする。話が入り組んでいてコマ割りが細かい漫画は、元の咲なら好きだったけれど今は読み通す集中力がないし、脳内のメモリ(ワーキングメモリ)が低くなってしまったので意味がつかめないだろう。伏線がある漫画もだめだ、頭が働かないと伏線に気が付かなくて、その漫画の持つ本来の魅力がわからない。

脳の働きが悪くなっているので負担のかからない4コマ漫画や単純なギャグ漫画がいいだろう。子供向けで例えばドラえもんやサザエさんがいいな、と私は思った。買った方がいいかな。本人が好きだといいんだけど。でも受験はもうあきらめたのかな。

私は結局漫画については考えたこと省略して「そうなんですか」とだけ返事した。

それから「咲をお願いします」と頭を下げた。相葉さんは「大切にお預かりします」と言ってくれた。患者の親の気持ちを考えてくれているのだろう、とてもありがたかった。

差し入れでもできたら、と考えて「スタッフに差し入れは一切できません」と事務手続きのときにいろいろ説明してくれた女の人が言っていたのを思い出した。

感謝は態度で表そう。言わなければ伝わらない。咲のことをお世話してくれてありがとう。そう思いを込めてお礼をもう一度言った。

医師の話も聞いたし病棟を移ったため書類も書き直した。もう帰ろう。受験直前模試の時には朝直接迎えに行くことを確認して私は病棟を出た。

 

 

携帯電話の履歴を見ると咲の中学校から電話がきていた。桜井先生だと私は思った。今日医師と話すことを伝えていたからまた様子を聞くのだろう。

「もう入院してしまえば在学中に自殺される心配がないのにな。(だからうちの子の様子なんて聞かなくてもいいでしょう?)」とやさぐれたことを考えた。学校に対しての気持ちは複雑だった。

結局私は電話をした。

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子供がうつになりました。