中学3年

中学3年

中3 67 個室の様子

昔の映画みたいにコンクリートの壁で鉄格子がはまった窓と茶色くなって擦り切れたぺったんこに凹んだ畳の、牢獄のような部屋を想像してしまっていたが、全くそんなことはなかった。(記憶が映画で見た留置所とごっちゃになってるかもしれないです) ...
中学3年

中3 66 閉鎖病棟の内側

担当の看護師さんに入院期間二カ月について本当なのかを聞いてみても「主治医の判断です」としか言われなかった。 思春期病棟のベッドが空いてそこに移って落ち着いたら二宮医師に話を聞けるかもしれない。そう思って私はそれ以上は聞かないこ...
中学3年

中3 65 荷物を持って再び病棟へ

頭が働きだしてから私はだんだんと辛くなってきていた。主のいない部屋で入院に必要なものを準備していると、その状況から辛い気持ちがますます膨らんできていた。 「最後のとどめ」みたいに登場した、咲の隠していた紐を見つめていたら涙で視...
中学3年

中3 64 病棟の説明

窓がない部屋のくたびれ気味のソファーに腰かけてまたぼーっとしていると、少しして別の看護師(?)が部屋に入ってきた。 ※病棟の中で働いている方々は全員看護師さんだと最初は思っていましたが作業療法士さんや(公認?臨床?認定?)心理...
中学3年

中3 63 成人病棟へ

今日は児童病棟(18歳まで)のベッドは空いていないが数日で退院する予定の子がいる。だから成人病棟にまず入院して、児童病棟のベッドが空いたらそこに移ってもらうと医師は言ったと思う。(記憶がはっきりしない) 入院と聞いた後から私は...
中学3年

中3 62 保護入院が決まった

先生が冗談ばかり言っていて笑っちゃった、帰ってから咲はそう言った。何を話していたのかまでは私からは聞かなかった。言わないならそれでいい。「先生の冗談」が何なのかはどうでも良かったがわざとそうしたのだろう。とにかく笑えるようになってき...
中学3年

中3 60 志望校は変えたくない

そんなことを考えていると医師は「アカシジアが出ているので薬を変えます。」と言葉をつなげた。風邪の患者に咳止めや解熱剤を処方する時のように自然な調子だった。 自傷をやめられず希死念慮も続いている状態でまた抗うつ薬を変える。効...
中学3年

中3 59 新学期

新学期になった。1月の半ばに学校の個別懇談で志望校を最終的に決めることになっていた。思春期外来の予約の日と学校の個別懇談の日は一日違いだった。さらさらと砂時計の砂のように時間が流れて、いやでも現実が動いていく。 受験が近づ...
中学3年

中3 58 避けている話題

志望校をどうするかの話し合いを正月休み中にするべきだったが咲がほとんど眠って過ごしていてなかなかチャンスがなかった。 ……それは言い訳。私は志望校の話し合いをすることが怖かった。これからどうなっていくのかがわからなくて、その話...
中学3年

中3 57 年内最後の一人図書室登校日

年内の最後の一人図書室登校日に咲が 「先生がこっそりお菓子をくれたよ」と少し笑って言った。 子供が笑った。そんなことが嬉しかった。今日みたいに笑ってくれたら私は何でも耐える。だからもっと笑ってほしいと思った。 咲が...